子育てしながら再就職 透析室ってどんなところ? 転職の悩み解決Q&A
現在子育て中ですが、透析室への再就職を考えています。透析室はどんな特徴のある職場でしょうか?
透析室は、基本的に夜勤がないという特徴があります。ただし、最近は夜間透析を行う病院も増えているため、準夜勤があるところもあります。夜間透析をしている病院では、先に勤務形態を確認しておくといいですね。
透析を受ける患者さんは、2日に一度来院し、それが長期間続くのが一般的です。
かかわり方が難しい患者さんが多いともいわれますが、逆に長いおつきあいの中で患者さんとの信頼関係を深めることができ、看護師としての充実感を得られる職場でもあります。
家庭と両立しやすいというのは本当でしょうか?
基本的に夜勤や急な残業がない職場ですので、自分の時間を持ちやすく、家庭との両立をしやすいのは本当です。定時に帰宅することができますから、子育てなどで家庭と仕事を両立させたいと考える看護師には適しています。
仕事内容はどんなものがありますか?
透析室の看護師の仕事には、透析の説明と生活指導、導入期指導、健康観察、家族への対応などがあります。グラフト、穿刺、シャント、採血といった作業や、フットケアなどの合併症対策も行います。
また、人工腎臓や生命維持装置といった特殊な医療機器の操作も重要な仕事です。
透析機器は進化スピードがとても速く、最新の機器が置かれている病院もあれば、昔からの機材を使用している病院もあり、機器操作にかかる手間や時間は施設によって違いがあります。
未経験ですが、覚えることは多いのでしょうか?
専門的な機材の操作や、患者さんの基礎疾患についての理解など、覚えることはたくさんあります。患者さんの病態ごとに健康指導の内容を変える必要も出てくるので、しっかりした知識が必要になります。
転職や異動直後の看護師は、慣れるまでが少し大変です。
そのほかに透析室で大変なことは何がありますか?
透析室で大変なことは、一般病棟の看護師よりも強いストレスがかかることです。オープンフロアという特殊な環境で、人工腎臓や生命維持装置などの重要な医療機器を操作しながら仕事を行うため、特に転職したての看護師は負担を感じがちです。
誰からも見られるオープンな場所で、集中力の必要な作業をすることは、強いストレスになるからです。
ストレスの感じ方には個人差がありますが、燃え尽き症候群に陥る看護師も多いため、メンタル面のセルフコントロールが大切になってきます。
どんなスキルが身につきますか?
穿刺やシャント、徐水計算などの水分管理、食事管理といった、専門的なスキルが身につきます。透析中のバイタルチェックは患者さんごとに細かく見なければならないため、すばやいチェックと判断力も身につきます。
近年の透析患者さんには、原疾患に糖尿病を持つ患者さんの割合が増えていますから、糖尿病看護の知識も深められます。
透析のような専門のスキルを早く身につけておくことは、子育て期間だけでなく、長期的なキャリアを考える上でも有意義です。
透析室での看護技術をさらに深めたいなら、
・透析看護認定看護師
・透析技術認定士
などの資格を取ってスキルアップすることもできます。
透析室では、お給料はどのくらいもらえますか?
病院によって差はありますが、月収でだいたい25〜30万くらいになります。平均は28万円前後といわれています。
年収でも430万ほどが平均値で、他科で夜勤のない働き方をしている看護師よりも、少し高めのお給料となっています。
やりがいを感じるのは、どんなところでしょうか?
患者さんへのはたらきかけがうまくいき、食事や体重管理といった生活援助の効果が実感できたときに、深いやりがいを感じられます。体重などはしっかりとデータに出てきますから患者さんにも理解してもらいやすく、信頼につながるところも看護師として満足を得られる部分です。