新人看護師だけど呼吸器科で働きたい！　転職の悩み解決Q&A

まだ３カ月目の新人看護師です。呼吸器科へ転職したいのですが、呼吸器科はどんな科ですか？

呼吸器科は呼吸器専門の疾患を扱う診療科で、総合病院や大学病院といった大きな病院で設置されています。
クリニックでは比較的少なく、その点が一般内科などとは違うところです。

気道や肺が対象臓器となり、専門的な診療を行うため、看護師にも専門的なスキルが求められます。

新人には難しい診療科でしょうか？

新しい知識や技術を吸収しやすいという意味では、新人看護師には呼吸器科に向いています。

呼吸器科では肺がんや感染症も扱いますが、がん治療は日進月歩ですし、感染症の情報はどんどん新しくなっていきます。
そのような最新の情報も頭に入れておく必要があるからです。

新人で、仕事全般にまだ十分な自信が持てないという場合は、呼吸器内科への勤務をお勧めします。
外科は非常に忙しく、ゆっくり仕事を覚えるような余裕はあまり持てません。

呼吸器科での仕事内容を教えてください。

外来と病棟でも違いがあり、呼吸器内科と呼吸器外科に分かれている病院もあります。

外来では医師の診察補助を行いますが、患者さんにはお子さんや高齢者の方も多いので、院内感染には十分に気をつけて対処しなければなりません。
呼吸器系疾患の患者さんにとって、感染症対策は重要です。

そのほかの仕事内容としては、呼吸リハビリテーションや、嚥下リハビリテーションの説明・実施、ガスデータのチェック、感染兆候の観察、また人工呼吸療法の説明・指導、抗がん剤治療の補助や説明などがあります。

呼吸器科の看護で大変なことは何ですか？

呼吸器疾患を持つ患者さんは非常に苦しまれるため、そのケアをする看護師としてもつらいものがあります。
苦しみに寄り添いすぎては負担が大きくなり、割り切りすぎては患者さんやご家族からの信頼を得ることが難しくなります。

肺がんの患者さんも多く、外科治療ができない方の場合はご本人も家族の方々も大きな不安を抱えることになります。
そのような患者さんに向き合ってケアをすることも、大変ですが大切な看護師の仕事です。

どんなスキルが身につきますか？

呼吸管理やがん看護、感染症対策や管理といったスキルが身につきます。

人工呼吸療法や呼吸・嚥下のリハビリ、がん治療に関わる看護など、常に新しい知識が必要とされる科ですから、勉強会や研修もたくさん開かれます。

病院によって覚えられることに違いがあると聞きました。キャリアを考えたときには、どんな病院を選べばいいでしょうか？

どんなキャリアを求めているかで選び方は違ってきます。

その病院の形態や規模によって実際に行う治療にも違いがありますから、看護師業務の内容に違いが出ることも当然あります。
たとえば、肺がんなどのがん患者さんに対するナーシングを極めたいという場合、大学病院のような特定機能病院であれば最新の治療を行っていますから、専門的な知識と経験を得るには最適です。

がんよりも喘息などの疾患で苦しむ子どもさんのケアを中心にしたいのであれば、そのような患者さんを多く受け入れ、なおかつ新人教育にも力を入れている病院を探すことになります。

必ずしも大きい病院ならお給料もいいとは限りませんので、収入にこだわりがある場合には、そのあたりのチェックも必要になるでしょう。

お給料はどのくらいになりますか？

呼吸器科は看護師全体の平均よりも高めの収入だといわれていますが、1年目の場合、22万から24万程度がだいたいの平均月収になります。

もちろん地域や病院によって違いますし、夜勤などの手当てで収入は変わってきます。
お給料アップには資格を取るのもお勧めです。

呼吸器科ではどんな資格が有利ですか？

呼吸器科に関連した看護師の資格には、次のものがあります。

・慢性呼吸器疾患看護認定看護師
・感染症看護専門看護師
・呼吸療法認定士

また呼吸器科にはがん患者さんも多くいらっしゃるため、がん関係の資格も取得すると有利です。
がんに関する資格には、次のものがあります。

・がん看護専門看護師
・がん性疼痛看護認定看護師
・がん放射線療法看護認定看護師
・がん化学療法看護認定看護師

やりがいを感じるのは、どんなところでしょうか？

呼吸器科では看護師として全般的なスキルアップが望めるため、実力がついたと実感することでやりがいを感じる看護師が多いようです。

呼吸困難で非常に苦しまれている患者さんが、看護師の体位ドレナージや吸引で呼吸を回復し、落ち着かれるのを目の当たりにできることも、呼吸器科ならではのやりがいです。